メンタルヘルスのリスク管理

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2013年03月28日


メンタルヘルスとは、直訳すれば「心の健康」のことです。現在では、複雑な人間関係や労働などにより、ストレス等の要因で精神が疲労し、メンタルヘルスに不調をきたす人(精神疾患やうつ病等にかかる人)が増えてきています。

職場でメンタルヘルス不調が悪化すると、次のような企業リスクが発生します。

企業リスク1−生産性低下
遅刻・欠勤の増加による作業効率の低下、ミスや遅延、ケガや事故の発生、長期療養者、離職者の増加により、会社全体の生産性が下がる。

企業リスク2−コスト増
休職者が出た場合、その医療費負担、傷病手当見舞金、代替人件費、退職の場合は人材補充のための募集費など、さまざまなコストがかかる。
さらに、会社にメンタルヘルス不調の責任を問われ民事訴訟に発展した場合は、会社に損害賠償を請求される可能性がある。裁判になるとその費用、弁護士費用など膨大になる。

企業リスク3−信頼性ダウン
万が一、メンタルヘルス不調により自殺者等がでてしまった場合は、会社のイメージダウン、社員、取引先、株主からの不信感、社員のモラルダウン、人員採用への悪影響が出る。
また、メンタルヘルス不調者に不十分な対応をしてしまうと、最近ではインターネットによりその詳細を公開されてしまうケースもあり、これも会社の大きなイメージダウンとなる。

【まとめ】
職場のメンタルヘルスの悪化は、企業活動に甚大な影響を与え、企業存続の危機に陥ることもあり得ます。

社内での制度が未整備、対応策が不完全な場合は、早急に見直しが必要です。特にメンタルヘルス関連は、初動の対応を誤ると、後々多大な時間的・金銭的代償を払わなければならなくなる傾向にあります。

企業のメンタルヘルス対策は、単に社員のためだけでなく、企業の危機管理からも重要な問題であり最優先事項といえます。