時間外労働の限度に関する基準

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2014年04月08日


時間外労働の限度に関する基準

時間外労働の限度に関する基準(平成10年労働省告示第154号)
36協定において定める労働時間の延長の限度等に関する基準です。
労使は、36協定の内容がこの基準に適合したのもとなるようにしなければなりません。(労働基準法第36条第3項)
平成22年4月1日から、改正労働基準法が施行されるとともに、限度時間を超える時間外労働の抑制を目的とする基準の改正が施行されました。


■時間外労働又は休日労働をさせようとする場合は36協定が必要
●労働基準法では1日及び1週の労働時間並びに休日日数を定めていますが、同法第36条の規定により時間外労働・休日労働協定(いわゆる「36協定」)を締結し、労働基準監督署長に届け出ることを要件として、法定労働時間を超える時間外労働及び法定休日における休日労働を認めています。

■時間外労働・休日労働は必要最小限にとどめられるべきもの
●しかし、同条は、時間外労働・休日労働を無制限に認める趣旨ではなく、時間外労働・休日労働は必要最小限にとどめられるべきものであり、労使がこのことを十分意識した上で36協定を締結する必要があります。

■割増賃金の支払
●時間外労働と休日労働については割増賃金の支払いが必要です。時間外労働の割増賃金の割増率は2割5分以上(改正労働基準法の施行により、平成22年4月1日から月60時間を超える時間外労働については5割以上(中小企業は適用猶予))、休日労働の割増賃金の割増率は3割5分以上です。

■時間外労働・休日労働協定の周知について
●時間外労働・休日労働協定については、就業規則やその他各種の労使協定と同様に、常時各作業場の見やすい場所への備え付け、書面を交付する等の方法により、労働者に周知する必要があります。

チェックポイント1
法定の要件を満たした36協定の届出が必要です。

必要な協定事項
 労使は以下の事項について協定しなければなりません。
□時間外労働をさせる必要のある具体的な事由
□      〃       業務の種類
□      〃       労働者の数
□1日について延長することができる時間
□1日を超える一定の期間について延長することができる時間
□有効期間(チェックポイント2の「一定期間の区分」との関係で、最も短い場合でも1年間となります。)

協定の当事者(労働者側)
 協定では、使用者と、労働者の過半数で組織する労働組合がある場合においてその労働組合、労働者の過半数で組織する労働組合がない場合においては労働者の過半数を代表する者との間で締結することが必要ですが、労働者の過半数で組織する労働組合がない場合の労働者の過半数を代表する者は、次のいずれにも該当するものでなければなりません。
□監督又は管理の地位にある者でないこと。
□労使協定の締結等をする者を選出することを明らかにして実施される投票、挙手等の方法による手続きにより選出された者であること。

チェックポイント2
36協定は以下の基準に適合したものとなるようにしなければなりません。

業務区分の細分化
□36協定の締結に当たっては、容易に臨時の業務などを予想して対象業務を拡大したりすることのないよう、業務の区分を細分化することにより時間外労働をさせる業務の範囲を明確にしなければなりません。

一定期間の区分
□1日を超えて3ヶ月以内の期間
□1年間
の双方について協定しなければなりません。

延長時間の限度
(1)一般の労働者の場合
 □36協定で定める延長時間は、最も長い場合でも次の表の限度時間を超えないものとしなければなりません。

期間 限度時間
1週間 15時間
2週間 27時間
4週間 43時間
1ヶ月 45時間
2ヶ月 81時間
3ヶ月 120時間
1年  360時間

※一定期間が左の表に該当しない場合の限度時間は、計算式で求める時間となります。
※限度時間は法定の労働時間を超えて延長することができる時間数を示すものです。また法定の休日の労働を含むものではありません。

(2)対象期間が3ヶ月を超える1年単位の変形労働時間制の対象者の場合
 □対象期間が3ヶ月箇月を超える1年単位の変形労働時間制により労働する者についての延長時間は、上記(1)とは異なり、最も長い場合でも次の表の限度時間を超えないものとしなければなりません。

期間 限度時間
1週間 14時間
2週間 25時間
4週間 40時間
1ヶ月 42時間
2ヶ月 75時間
3ヶ月 110時間
1年  320時間

※一定期間が左の表に該当しない場合の限度時間は、計算式で求める時間となります。
※限度時間は法定の労働時間を超えて延長することができる時間数を示すものです。また法定の休日の労働を含むものではありません。

特別条項付き協定
 臨時的に限度時間を超えて時間外労働を行わなければならない特別の事情が予想される場合に以下の例のような特別条項付き協定を結べば、限度時間を超える時間を延長時間とすることができます。
※特別条項付き協定が変わります(平成22年4月1〜)
○平成22年4月1日から、限度時間を超える時間外労働の抑制を目的とする改正が施行されます。
○特別条項付き協定を結ぶ際には、新たに
  仝妥抻間を超えて働かせる一定の期間(1日を超え3ヶ月以内の期間、1年間)ごとに、割増賃金率を定めること
 ◆´,領┐鯔…螻篩賃金率(2割5分以上)を超える率とするよう努めること
  そもそも延長することができる時間数を短くするよう努めること
 が必要になります。
○平成22年4月1日以後に特別条項付き協定を締結又は更新する場合には、特別条項付き協定の例及び要件は以下のとおりになります。(★が新しい内容です。)

(例)「一定期間における延長時間は、1ヶ月45時間(注1)とする。ただし、通常の生産量を大幅に超える受注が集中し、特に納期がひっ迫したとき(注2、3)は、労使の協議を経て(注4)、6回を限度として、(注5)1ヶ月60時間までこれを延長することができる。(注6、★7)なお、延長時間が1ヶ月45時間を超えた場合の割増賃金率は30%(注★8、★9)とする。」

この場合、次の要件を満たしていることが必要です。
□原則としての延長時間(限度時間以内の時間)を定めること。(注1)
□限度時間を超えて時間外労働を行わせなければならない特別の事情をできるだけ具体的に定めること。(注2)
□「特別の事情」は、次のア、イに該当するものであること。(注3)
 □ア.一時的又は突発的であること
 □イ.全体として1年の半分を超えないことが見込まれること。
□一定時間の途中で特別の事情が生じ、原則としての延長時間を延長する場合に労使がとる手続を、協議、通告、その他具体的に定めること。(注4)
□限度時間を超えることのできる回数を定めること。(注5)
□限度時間を超える一定の時間を定めること。(注6)
★□限度時間を超える一定の時間を定めるに当たっては、当該時間をできる限り短くするよう努めること。(注7)
★□限度時間を超える時間外労働に係る割増賃金の率を定めること。(注8)
★□限度時間を超える時間外労働に係る割増賃金の率は、法定割増賃金率を超える率とするよう努めること。(注9)

「特別の事情」は、「臨時的なもの」に限られます。
「臨時的なもの」とは、一時的又は突発的に、時間外労働を行わせる必要のあるものであり、全体として1 年の半分を超えないことが見込まれるものを指します。限度時間を超えて時間外労働を行わせなければならない特別の事情は、限度時間以内の時間外労働をさせる必要のある具体的事由よりも限定的である必要があります。
「特別の事情」の例
〈臨時的と認められるもの〉
 ●予算、決算業務
 ●ボーナス商戦に伴う業務の繁忙
 ●納期のひっ迫
 ●大規模なクレームへの対応
 ●機械のトラブルへの対応
〈臨時的と認められないもの〉
 ●(特に事由を限定せず)業務の都合上必要なとき
 ●(特に事由を限定せず)業務上やむを得ないとき
 ●(特に事由を限定せず)業務繁忙なとき
 ●使用者が必要と認めるとき
 ●年間を通じて適用されることが明らかな事由

適用除外
次の事業又は業務には、上記(1)(2)の限度時間が適用されません。
 々作物の建設等の事業
◆ー動車の運転の業務
 新技術、新商品等の研究開発の業務
ぁ仝生労働省労働基準局長が指定する事業又は業務(ただし、1年間の限度時間は適用されます。)


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